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不妊症は単一の原因ではなく、大きく分けても10余りの原因が考えられます。それらの中の一つあるいは複数が関与する疾患です。従って不妊症の治療は原因
によって異なります。例えば、腹痛の場合でも虫垂炎、胃潰瘍あるいは胆石などと原因がいろいろあるのと同じです。しかし、個々の方の不妊原因を適切に診断
することは必ずしも容易ではありません。また、妊娠成立の中で医師が実際に関わることができる部分は限られています。そこで、効果の明確でないまま習慣的
治療に期待することにもなりますが、このようなことはできるだけ排除しなければなりません。不妊の方がビタミン剤を飲んで妊娠したとかも、また栄養剤や食
事療法で妊娠したとか、漢方で妊娠したとか、いろいろな話を聞かされます。それらの科学的裏付けは乏しく、医療の中に取り入れることはできません。
不妊治療の難しさを要約すれば次のようになります。
- それぞれの不妊カップルに対し、全ての不妊原因を調べることは難しい。
- 不妊原因として複数の因子が関与していることが多く、その中のいくつかを是正したとしても全て正常になったとは言い切れない。
- 不妊原因の中で医師が治療できない部分がある。例えば卵の卵管への取込み、受精、胚(受精卵)の発育、胚の卵管への移送など男女の生殖機能は毎月一定とはかぎらない。
- たまたま射精から着床までのいろいろな因子が正常に働いたときにのみ妊娠する。所謂、偶然性の関与治療が効いたから妊娠したとは言い難い場合がある。
- それぞれの治療法の有効性を明確にすることは難しく、非科学的治療が入り込むこともある。
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